
原料配合上、論理的にはエッセンシャルオイルと潤沢なオイルを含有する芳香蒸留水を使うことでの、ある合計含有量で防腐期間はギリギリ36ヶ月をクリアできます。
結局問題はコストでしたが、洗剤製品に使うとしたときの年間必要エッセンシャルオイルを、ある販売想定X量で試算し、収穫時期に本計画に必要とする原料加工の集中作業をさせることで製造ロスを下げてもらい、さらに今後数年間は一定量の作付けを確約するという荒業で、不特定注文のための見越しロスさへも大幅に減らすことが可能になりました。
こうして要のエッセンシャルオイルのコスト低減を極限まで計り、ミント芳香蒸留水を副産物として位置付け、可能な限り全量使用することで防腐剤として必要な合計含有量を確保した上で、メーカー発想では考えもつかない、正に農家ならではの、それこそ大地と共に起した知恵と節約で、大幅な最終コストダウンを実現できたのでした。
結果、世界でも例のない、製品コストのかなりの部分が、保存や酸化防止のための原料に振り分けられ、水分比率の大半をミント芳香蒸留水(当然DEMETER認証原料)が使用されるという、成分表示を見ただけでは直ぐには分からない、恐らくどこの洗剤メーカーが思いつくことも、実現することもない、信じられないスペックを持つ洗剤の誕生となったわけです。
こうして、一切の合成添加物(防腐剤・酸化防止剤・香料・着色料など)を加えない家庭用一般洗剤は、我々の手元から誕生したのです。
今思い直せば、東京のH社長は、私達の製品の本質を見抜いていました。
その核となる部分を妥協させないことが、この計画の骨子であることも分かっていたのでしょう。
さて、今だからお話できますが、組合関係者にぶちまけた当時の約束販売X量は実は何の根拠もありませんでした。その数字を東京本社が聞いたら肝を潰すはずです。
しかもですが、未だ洗剤に限ってはこの約束数量は到達できていません。
約束反故?いえいえ、ありがたいことに、本社のT氏の号令下、その後の短期間での数々の製品展開にこれらの基本原料が幅広く使用されているのです。本当に助かりました・・・
この章終わり

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